患者さんの「痛み」を
治療の指標にしない
歯並びや咬み合わせは、すべての歯が揃っていることでバランスが保たれています。虫歯や歯周病により歯を失ってしまうとそのバランスがくずれ、歯を失った部分に他の歯が倒れ込んで歯並びがくずれてきたり、残っている歯に過剰な負担がかかったりし、また歯を失うという負のスパイラルが起こります。
そんな事態を防ぐために失った歯の修復治療をおすすめします。歯の状態に合わせて、さまざまな治療法が選択できます。
歯を失った場合の治療の選択肢
安定性 |
◎
・安定性がある ・半永久的に使用可能 |
△
調整や作り変えの必要がある |
△
安定性はあるが限界がある |
---|---|---|---|
違和感 |
◎
違和感なし |
×
違和感・異物感あり |
◯
ほぼ違和感なし |
咬合力 |
◎
天然歯と同様に噛める |
×
・噛む力は劣る ・隣接する歯への負担が大きく痛みを伴う |
◯
ほぼ天然歯と同様に噛めるが、過度な負担は加えられない |
審美性 |
◎
優れている |
×
劣る |
◎
優れている |
歯への影響 |
◎
全く無い |
×
バネをかけている歯への |
×
隣接する歯を削る必要 |
治療本数 |
◎
多くても可能 |
◎
多くても可能 |
×
欠損数が多いと不可能 |
手術 |
×
外科手術が必要 |
◎
必要なし |
◎
必要なし |
治療期間 |
×
約半年 |
△
比較的短時間 |
△
比較的短時間 |
経済性 |
×
保険適用外 |
◯
保険適用可能 |
◯
保険適用可能 |
あなたにおすすめの治療法は
入れ歯
入れ歯は残念ながら失われてしまった歯のない部分を補うための着脱式の歯です。広範囲にわたり歯を失ってしまった場合や周りの健康な歯を削りたくない方に向いている治療方法です。他の治療法と比較して、違和感が強かったり、お手入れが大変だったりと欠点もありますが、広範囲に歯がない場合には現在でも大勢の患者様がお選びいただく治療方法です。現在の入れ歯に不都合があり、お悩みの方はぜひご相談ください。
入れ歯の種類
義歯(入れ歯)には、大きく分けて以下の2種類があり、診療内容や義歯に使用される材料の違いによって生まれる食感・着け心地・費用などの違いで選択されます。
- 健康保険適用の「保険義歯」(レジン床義歯)
- 健康保険適用外の「自費義歯」(ノンクラスプ義歯・金属床の義歯・アタッチメント義歯・インプラント義歯)
また「総義歯(総入れ歯)」と「部分義歯(部分入れ歯)」にも分けられます。
歯は1本足らないだけで身体に大きな影響を与えます。義歯(入れ歯)やインプラントで健康的な身体と「噛める」「見た目を気にしなくてすむ」「若返る」などの感覚も取り戻せます。
ブリッジ
両側の歯を土台として利用し、歯のない部分にダミーの歯を作る方法です。原則的には失われた歯が、1本もしくは2本程度までは十分な強度を確保できますが、それ以上の連続した歯の欠損部位には適用が難しくなります。両隣の歯を削る必要がありますが、保険適応がある治療法です。
保険診療で使用する素材の条件
ブリッジで白い素材の歯を入れられるのは、前歯から4番目の歯までとなります。金属の本体に白い硬質レジンを被せたもの(硬質レジン前装冠)です。それ以外の歯のブリッジは金属の被せ物になります。費用はリーズナブルですがプラスチック部分は透明感が乏しく、経年的な変色や摩耗が生じます。
- メリット
-
- ほとんど違和感なく噛める
- 自費の材質によっては見た目がきれい
- 治療期間が短い(最低2回)
- 保険適用であれば比較的安価
- デメリット
-
- 周りの健康な歯を削る必要がある
- 支えとなる歯にかかる負担が大きい
- 食べ物が歯肉との間に挟まることで、虫歯の危険性が上がる
- 保険では部位によっては銀歯になってしまう
保険適用外の費用
- 素材による費用の違い
-
保険診療の条件に合わない場合は、すべて保険適用外の自由診療となり、自費負担となります。費用に幅があるのは、ブリッジとして使用する素材の違いにあります。素材の審美性や耐久性によって、費用が高くなっていきます。素材による金額の目安は下記の通りです。
- ブリッジ素材の特徴
-
保険適用範囲となる硬質レジンや銀合金が素材として一般的ですが、保険適用外の素材は審美性や耐久性に優れているといえます。また、金属アレルギーがある方にも使用できる素材があり、安全かつ耐久性に優れた材料を使用することができます。
- ジルコニア
-
審美的に、もっとも天然の歯に近い素材で、現代の素材としては、もっとも優れていると言われています。天然歯の透明感があり、変色もなく、耐久性が高く、金属アレルギーの心配もありません。
自家歯牙移植
歯を抜かなければいけない、もしくは既に抜いてしまっている場所に対して、親知らずや、お口の中で機能していない歯(埋伏歯、噛み合わせに参加していない歯など)を移動して埋めなおす方法です。
インプラントにはない歯根膜というクッションがあるため、より自然に噛み合わせる事が出来ます。
年齢、全身疾患の有無、生活習慣(喫煙など)、移植のドナーとなる歯がある等の条件を満たせば治療可能な方法です。(自由診療になります)
移植可能な条件
- 患者さまの年齢が概ね40歳以下であること
- 口腔内に適切なドナー歯(主に親知らず)があること
- 移植歯(ドナー歯)と移植部位(受容側)の大きさが適切であること
-
移植歯(ドナー歯) 保存不可能な歯
-
抜歯した部分に移植歯を移動させます
移植の
成功率・生存率
移植の成功率は約60%〜70%といわれております。
移植歯の生存率(寿命)は約5〜10年といわれており一生もつものではありません。
少しでも長く丈夫に使用していただくため、3ヶ月に一度のメンテナンスが必須になります。